2010年09月10日
ヨーロッパデザイン探訪 スペイン編 アンダルシア地方2
アルコス・デ・ラ・フロンテーラ
まるで迷路のようなアルコスの村を散策する。
急な坂道や細い路地など変化に富んだ街並みは写真が好きな私の好奇心を刺激する。
白い壁は漆喰で出来ていて、スペインでは石灰石がたくさん取れることから建築の内装や外装に使われるようになった。
西洋の天然漆喰は調湿効果や断熱効果が高く、夏涼しく、冬暖かい。
また天然漆喰なので経年変化によって硬くなり、耐久性や防汚性も日本で大活躍の塗装サイディングや樹脂塗装に比べ美しく維持できる。
左官仕事が出来る職人が減っているので漆喰の外装は少ないが、意匠的にも素材的にもなんとか取りれたい工法だ。
「白い壁は汚れが目立つ」というのはいかにも日本人的発想だが、観光客が少なく手入れをしていないオフシーズンのアルコスの村の壁が汚く感じたことはなかった。
ヨーロッパの住宅は100年以上建て替える必要はなく、古くなっても丈夫なので手を入れればいつまでも住み続けられる。
戦後の復興から始まった住宅供給政策もようやく第2段階に入り、200年住宅構想を含めたストック型の政策に切り替わった。
何でもピカピカした新しいものが好きな日本人が、古くても大事に使っている味わいを好きになれるスタート地点に立ったように思う。
ヨーロッパとの文化レベルの差はまだひろい。
Posted by 西島 崇 at 14:02│Comments(0)
│住まい