2010年02月12日
フランスの美しい村 コンク④
翌朝、ホテルの窓から見下ろすと巡礼者が雨の中を歩いていた。
特に理由もなく(本人たち的にはあると思うが)ひたすら歩くところはキリスト教徒の「伝統」
なんだと思う。
間寛平が地球一周しようとしているが、あるとき突然、男は自分の生きた「証」を残したくなるらしい。
自らを困難の境地へ追い込み、乗り切ることで自分の中にある何かを見つけようとする。
毎日普通の日常を繰り返し、ふと振り返ると自分の人生の無駄に気がついたり、やり残したことを
思い出したりするのではないか?
巡礼することでもう一度自分を見つめ直し、マンネリ化してきた人生をリセットすることで
過去に多くのキリスト教徒が「その意味」をなんとなく感じ、後世に伝播し、伝統になったのだろう。
なにかと混沌としている世の中だが、意味もなく何かに打ち込んだり、新しいことにチャレンジして
みると、見えなかった何かが見えるようになるかもしれない。
はるか山奥のコンクに何時間も掛けて訪れた「意味」は、私にはあったように思う。
Posted by 西島 崇 at 19:53│Comments(0)
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