2011年08月30日
家づくりデザイン探訪 ポルトガル編 オビドス2
壁に掛かった陶器のお皿
城壁の散歩を終え、街歩きを楽しんでいると、白壁に掛かったお皿を見つけパシャリ。
オビドスのお土産屋さんにはおしゃれな陶器やガラスの器などが多く、奥に工房がある店もあった。
普段あまり自分たち用のお土産は買わないが、ここで見た器はどれも好みで、ついつい買いこんでしまった。
オレンジハウスのスタッフと家のデザインの話をよくする。
雑誌やWEBを見ながらあれがいいこれがいいと盛り上がるが、最終的には「インテリアって重要だよね」というところに行きつく。
当然、ベースとなる内装や外観は重要だが、住まう方のセンスで家は育っていくので、どのような家具やカーテン、小物を選ぶかで雰囲気が変わってくる。
オレンジハウスは家を建てるというよりも、お客様に家の建て方や育て方を教えながら打ち合わせを進めている。
完成したときだけでなく、数年後もおしゃれに暮らしていてほしいからだ。
フランスのブラントームで見た自転車の花かごやオビドスの壁に掛かった絵皿もそんな育て方のひとつ。
外観や素材だけでなくインテリアやガーデンなど住宅プロデュースの仕事の奥深さをじっくり楽しんでいきたい。
2011年08月29日
家づくりデザイン探訪 ポルトガル編 オビドス1
オビドスの城壁から
ポルトガルを代表する観光地オビドス。
ここを外したツアーはあまり見たことがない。
スペインやポルトガルに多い白壁と町を囲む城壁が美しい。
城壁の上が遊歩道のようになっていて、およそ40分で一周できる。
ちょうど半分くらい歩いたところで、家の外壁に青や黄色の原色を使った装飾に気が付いた。
港町アヴェイロの家は、長い漁から帰った漁師が、自分の家だと分かるよう全体が原色で塗られていたが、ここはすこし控えめなようだ。
なにかと控えめな日本人は原色を住宅に取り入れる人は少なく、茶系やモノトーンといったあまり主張しない色使いを好む傾向がある。
野田財務大臣が民主党の代表となったが、はたして玉虫色の日本の政治をどんな色で染めてくれるのか?
原色を嫌う国民性に流されず、はっきりした政治を期待したい。
2011年07月29日
家づくりデザイン探訪 ポルトガル編 ナザレ3
ポルトガル風イワシの塩焼き
お楽しみのディナータイム。
まずはイワシの塩焼きから。
絞ったレモン汁でサクっと食べると中はホクホクでいくらでも食べてしまう。白ワインとの相性も抜群であっという間に平らげてしまった。
魚介のリゾット[アローシュ・デ・マリシュコ]
アヴェイロでも食べた魚介のリゾット。
ここのお店のはさらに濃厚で、魚介のダシが良く出ている。
かなり量があったと思うが、最後は妻と奪い合いになったのを思い出した。
やはりどんな料理もその地で生産されたものを新鮮な内に食べるのが格別だ。
地産地消を売りにする店が増えてきているが、建築の世界でも「県産木材」を使った新築が増えている。
地元の材木を使ったほうが湿度や気温などその環境に馴染んでいるため、躯体である柱の寿命が長くなる。
今週末開催する新築の完成見学会も「県産材」を使った「長期優良住宅」ということで、スタッフの気合も十分だ。
清水区では中古住宅のリノベーション完成見学会も同時開催ということでほぼ全スタッフがイベント準備に大忙しだ。
地元のお客様に支えられ、地元に還元していく、そんなオレンジハウスこそ地産地消の象徴でありたいと思う。
2011年07月28日
家づくりデザイン探訪 ポルトガル編 ナザレ2
ナザレの夜景
私と同じような三脚片手に撮影ポイントを探している外国人が話しかけてきて、もっと良いポイントがあると教えてくれた。
一緒に行くとまずまず面白い写真が撮れそうな場所を見つけることができた。
その外国人はもっといいところがあると言って、どんどん先に行ってしまったが、モンティモールの丘でスタミナを使い果たした私は、ここで日が暮れるのを待つことにした。
中国の新幹線事故のニュースが流れる度に、中国の隠蔽体質や倫理観の無さに辟易するが、日本の原発事故の対応も似たようなもので、アジア全体のモラルが世界レベルからは程遠いものだと証明してしまった感がある。
私が上海で出会った青年は日本語も英語も流暢で、蘇州のみどころなどを分かりやすく案内してくれた。
その青年も「中国人はちょっとおかしいでしょ」と笑いながら話してくれたが、今なら私も外国人に「日本人ってちょっとおかしいでしょ」と言いたい気持ちが理解できる。
私が好きな檀れいが結婚してしまうが、ドラマの共演がきっかけとのこと。
いろいろな国の方との出会いや会話でお互いを理解し合ったり、価値観を共有したりしながら自分も成長していっているように思える。
アジア人に足りないのはそうしたコミュニケーションの量だと考えられるが、
フェイスブックやツイッターなどの日本での普及は、そうした国際交流のきっかけに大きく貢献しているように思える。
檀れいのような美女は現れないとは思うが、このブログが何かのコミュケーションのきっかけになれば嬉しい。
2011年07月26日
家づくりデザイン探訪 ポルトガル編 ナザレ1
ナザレの全景
寄り道した割には早く着いたナザレの町。
今回の旅では景色に飽きないよう海沿い→山の中→海沿い→山の中と行程を組んだのが正解だった。
アヴェイロの港町の雰囲気とは少し違った開放的なビーチがあったり、活気ある商店が軒を連ねていたりと新鮮な雰囲気に浸ることができた。
食事も内陸では山羊の肉とかパンが多いが、海沿いでは魚介のリゾットやイカスミパスタなどシーフードが楽しめる。
グルメ街を横目に見ながら今日の夜景スポットへと急ぐ。
2011年07月21日
家づくりデザイン探訪 ポルトガル編 モンティモール4
さりげなくデザインされた家
丘の頂上から郊外を見下ろすと比較的あたらしい住宅街?が見えた。
中世の街並みだと石造りだったり洞窟住居だったりと家づくりの参考にあまりならないが、今回は普通のポルトガルの家がどのようなデザインかを見ることができたのは収穫だ。
白い漆喰の壁にオレンジ色のS瓦というのが定番のようだが、中には屋根の色がグレーだったり緑色だったりと個性を出している家もちらほらあるようだ。
フォルムもそれほど凹凸があるわけでもなく、すっきりとしたシンプルな外観が主流のようだ。
土地が広いのでエクステリアはかなり力を入れている家が多く、日本の庭とはスケールが違う。
オレンジハウスでも庭のある家を提案するがここまで広いと予算配分が難しい。
いずれにしても、外観、庭、素材の色など住宅のデザインの善し悪しを決める要素において日本の住宅もヨーロッパの住宅もポイントは同じで、しっかりとデザインされていれば美しく見える。
間取りという家の中の部分と外観を両立させるのが設計士の腕の見せ所であるが、100点をもらうのはなかなか難しい。
敷地の狭い静岡だとさらに難しくなるが、オレンジハウスの設計した家はうまくバランスが取れていると自負している。
最近リニューアルしたHPに施工例があるので是非見て欲しい。
http://www.orange-newhouse.com/work/index.html
宣伝はこれぐらいにして次の宿泊地ナザレへと急ぐとしよう。
2011年07月18日
家づくりデザイン探訪 ポルトガル編 モンティモール3
小学校
地元の小学校を見つけ、フェンス越しにカメラを向けると人懐っこい子供たちが寄ってきた。
先生に怒られるんじゃないかと心配したが、先生たちもニコニコして快く撮影に応じてくれた。
どこにでもいるような仲良し三人組でさしづめ、のび太、スネ夫、ジャイアンといったコンビのようだ。
ヨーロッパのなかではとりわけ財政状態が悪いポルトガルだが、教育さえしっかりすればきっと未来は明るはず。
ポルトガルの未来を担う子供たちの笑顔に少しだけ未来を感じた。
さて、我が日本国の教育はというと、遅々として進まない英語教育に先生自身の育成不足など課題が多い。
家づくりにおいても子供の教育を念頭に置いた設計が見直され始めている。
行政でも教育制度の見直しを早急に進めてもらいたい。
2011年07月17日
家づくりデザイン探訪 ポルトガル編 モンティモール2
壁の文字?
小高い丘に築かれたモンティモールの町は細い坂道に民家が並んでいる。
ところどころ壁に文字が書かれていて面白い。
文字が書かれた色とりどりの壁を眺めながらだと歩いていても坂道が気にならない。
普段、家のチラシやカタログなどを作るときに悩むのが文字のフォント。
ありきたりのフォントではインパクトがないし、ローマ字であれば種類があるが日本語だとバリエーションが少ない。
この壁に書かれた文字のフォントは今まで見たことがなくとても気になる。
せっかく海外まで来て仕事のことは考えたくないが、良いデザインや面白いアイテムがあるとついつい仕事にどう活かそうかを考えてしまう。
気になりだすと止まらないので、帰国してから調べてみようと思い1枚「パシャリ」
妻の冷たい視線を感じながら坂道を下る。
2011年07月13日
家づくりデザイン探訪 ポルトガル編 モンティモール1
ポルトガルに種子島?
ナザレへ向かう途中、気になる街があったので立ち寄ることにした。
街の広場に面したカフェで、偶然となり街に住んでいる日本人ファミリーと話をすることができた。
ここモンティモールは、実は日本に鉄砲を伝えたとされるメンデス・ピントさんのご子孫が住む街とのこと。
そのピントさんがこの街のどこかにローマ字で「TANEGASHIMA」と書かれた通りを作り、今でも実在するという。
実際に見てみようと思い、カフェを出てしばらく散策するとようやくその種子島通りを見つけた。
当初はカフェで休憩するだけのつもりだったが、こじんまりとした楽しい街だったので次回から少しずつ紹介してみようと思う。
2011年07月12日
家づくりデザイン探訪 ポルトガル編 ブルニョス2
酪農体験
ポルトガルで宿泊した是月さんの本業はワイン畑や酪農とのこと。
ご馳走になった地ワイン?は農薬をほとんど使わないため、とてもまろやかな香りと味だった。
是月さんが書いた「ワイン・たまねぎ・ポルトガル」を読み、一番記憶に残った言葉が「ユックリズム」。
日本人はとにかく忙しく働き、是月さん自身もそんな一人だったとのこと。
あるときふとそんな人生を見直す機会があり、日本国内や世界各国を研究した結果、ポルトガルでワイン農家をゼロから始めるという一大決心をされた。
その根底は「自分のことは自分で楽しみながらやる」「どんな面倒なこともそれ自身が経験となり楽しみとなる」といったとても哲学的な考えに基づいている。
正直、私はここまで大変な思いはしたくないが、どうせ最後は死んでしまう人生において生きている意味は何かと言われれば、唯一、生きている間になるべくたくさんの経験や感動をすることではないかという結論に至った。
そんな是月さんとの話で、自分がヨーロッパを旅する意味や異業種に転職した意味など後付けではあるが気づかされた。
翌日は雨も上がったので酪農体験をさせていただき、ヤギの乳搾りやきのこ狩りなど広大な敷地を散策しながらゆったりと楽しむことができた。
日本に居る時には感じなかった時間の流れや空気はなんとも心地いい。
ユックリズムを身をもって体験できた。
もう少しまったりしていたいが次の宿泊地ナザレへと向かう時間がやってきた。
インターネットや携帯からは開放されても、「自分のせっかち」とは縁が切れないようだ。
おいしいワインと空気を思い出しながら、少し長いドライブをスタートした。